準防火地域だと避けて通れないのが窓について。
そう、網入りガラス問題です。
網入りガラス、気にする派ですか?それとも気にしない派ですか?
私は気にする派です。
「住んだら気にならないよ」という声も多いようですが、ない方がスッキリしてていいですよね。
もしなくせるなら、好んで網入りにしたいという人は少ないのではないでしょうか。
しかし、建築基準法で防火仕様の窓を使わなければいけないと定められている以上、それを無視して家を建てることはできません。
じゃあ網入りガラスで我慢するしかないの?という声が聞こえてきそうですが
網入りガラスを回避する方法は存在します。
「防火窓は値段が高くて性能も落ちるのに、その上網入りの窓になるなんて!」
と私も一時は建築基準法を呪いたくなる気持ちになりました。
しかしその回避方法を実践したおかげで、LDKなど透明にしたい窓は網なしにできました。
今回は網入りガラスを回避する方法についてお話ししていきたいと思います。
我が家が採用したのはYKKAPのAPW330です。私は専門家ではなく、あくまで体験談なので、LIXILや他メーカーで同じ方法が使えるかは分からないのだけはご了承ください。
網入りガラスについて
網入りガラスはなぜ必要?
まずは網入りガラスについて。
網入りガラスはその名の通り、ガラスの中に金網が入っています。
そのおかげで火災発生時にガラスが割れても、バラバラになりにくいという特性を持っています。
ガラスが飛散しにくいということは窓ガラスの破片で怪我をしたり、炎が外に出て周囲の建物に燃え移るという可能性を低くします。
網入りガラスのデメリット
・熱割れしやすい
・防犯性能は期待できない
・ガラスが割れる音が小さいので狙われやすい
網入りガラスを調べた時に私が一番のデメリットを感じたのは熱割れしやすいということでした。
中の網が熱を持ってガラスを割れやすくするんだとか。
日差しがよく当たる窓なんかは特に注意しなければなりません。
網入りガラスは火事の時しかメリットないじゃん。やっぱり嫌だー!
網入りガラスを回避する方法
防火シャッターをつける
1つ目の解決策はシャッターをつける方法。
これは比較的有名かもしれませんね。
引き違いの窓であればシャッターをつけてしまえば、網入りを回避できます。
わが家でもLDKの掃き出し窓はシャッターをつけました。
シャッターをつけることで、台風などの災害時や防犯にも有効です。
耐熱強化ガラスを使う
もう1つは耐熱強化ガラスを使う方法です。
YKKAPのAPWシリーズには耐熱強化ガラスという、防火窓でありながら透明ガラスの窓が存在します。
シャッターを採用できないすべり出し窓などに特におすすめです。
メリット・デメリットは以下の通りです。
- 視界がクリアで眺望性がいい
- 網入りガラスと比べて軽く開閉しやすい
- ペアガラスとトリプルガラスが選べる
- 網入りガラスと比べて金額が上がる
- 窓のサイズによっては対応できない場合がある
- 耐熱強化すりガラスにできるのはAPW440のみ
耐熱強化ガラスを選ぶ上で知っておきたいこと
耐熱強化ガラスの性能は?
窓の性能の観点から言うと
APW330の熱貫流率は1.31W/m²・Kなのに対して
耐熱強化ガラスだと1.55W/m²・K
網入りガラスだと1.60W/m²・Kです。
APWシリーズ防火窓のカタログより
やはり普通の窓よりも防火窓の方が性能は劣るようです。
網入りと耐熱強化ガラスだと、僅差で耐熱強化ガラスの方が熱貫流率は良いですね。
性能を考える上で、私が防火窓について気になっていたことがありました。
それは防火窓でもLow-Eガラスにできるのかということ。
Low-Eとはガラスの表面にLow-E膜といわれる特殊な金属膜をコーティングしたガラスのことで、夏の直射日光を和らげたり冬の暖房効率を高める働きがあります。
調べた結果、YKKAPのAPWシリーズではどれもLow-Eガラスが標準でした。
ちなみに防火窓APWはサッシは樹脂ですが、耐熱・網入りどちらもスペーサーはアルミしか選べません。
耐熱強化ガラスに対応していない窓
「家中の窓を耐熱強化ガラスにしたい!」と希望しても、窓の種類や大きさによっては耐熱強化ガラスに対応していないことがあります。
これはAPWシリーズ防火窓のカタログのFIX窓のページです。
赤枠で囲っているのがわが家の玄関の窓サイズ。
少し見づらいですが、◯と◎があって赤枠の箇所は◯になっているのが見えるでしょうか?
◎は網入り/耐熱強化どちらでも対応可能
◯は耐熱強化は不可で網入りのみ
わが家の場合は、玄関のFIX窓と寝室の二連窓(FIX+すべり出し)が耐熱強化ガラスに対応しておらず、やむなく網入りガラスにしました。
対応している窓の大きさや種類についてはここで書ききれないので、カタログを見るか問い合わせていただけたらと思います。
横すべり出し窓はハンドルが選べない
横すべり出し窓を耐熱強化ガラスにする場合、グレモンハンドルしか選べません。
もしオペレーターハンドルにしたい場合は網入りガラスになります。
APWシリーズ防火窓のカタログより
一方で縦すべり出し窓はオペレーターとグレモンのどちらも耐熱強化ガラスに対応しており、好きなものを選べるようです。
ややこしいですが、このように耐熱強化ガラスを選ぶ上でも色々と制限があります。
もし可能であれば、窓選びの段階で意識しておくのも一つの手ですね。
くもりガラスにはできないことも
先ほど耐熱強化ガラスのデメリットにも書いたとおり、すりガラスにできるのはAPW440(トリプルガラス)のみです。
そして型ガラスにできるのは網入りだけとなっています。
要するにペアガラスの耐熱強化ガラスは、くもりガラス(型ガラス/すりガラス)にはできません。
わが家もこのややこしい制限に引っかかりました。
一階の縦すべり出し窓と二階の横すべり出し窓を型ガラスにしたかったのですが、その場合網入りの型ガラスになるそうです。
APW440にグレードアップしてすりガラスにするという方法もありましたが、金額がアップしそうなので断念。
なので二階の横すべりは網入り型ガラスに、一階の縦すべりは耐熱強化ガラスにして、後から窓フィルムを貼るという方法で落ち着きました。
メーカーさんに聞いたところ、耐熱強化ガラスにフィルムを貼っても問題ないとのことです。
ただし技術が必要なので、よく目に入る窓に貼る場合はプロに任せた方がいいようです。
まとめ
引き違い窓にはシャッターをつける
耐熱強化ガラスを採用する
ただし耐熱強化ガラスには色々と制限がある
吹き抜けの窓など絶対に透明にしたかった窓があったので、わが家では耐熱強化ガラスを一部採用しました。
少しでも参考になったら嬉しいです。
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